いつの間にかついてしまった和紙のシワ。
そのシワの取り方を、程度に合わせて2つの方法をお教えいたします。

和紙を専門に取扱う弊社で、実際に行っているやり方です。
とっても簡単なので是非実践してみて下さいね!

〜はじめに〜
シワをのばす方法は2種類あります。
軽度のシワを取る為の方法にはアイロンを使います。
まずはこの方法を試してみて、上手くのびない場合は次の方法を試してみて下さい。

きつくついたしわを取る為の方法には、主に水を使います。
アイロンだけではのびなかったシワも確実にのばす事が出来ます。ただ、何か既に書かれているもので水がついて滲む恐れがある場合や、特に美術品等には専門的技術が必要なので、今回ご紹介する方法は行わないで下さい。

※いずれの方法でもしっかりと折り筋がついてしまったものは、ご紹介する方法を試しても効果が得られない場合があります。
※自己責任をご了解の上で行ってください。
※紙質や厚みによってはうまくシワが伸びない場合があります。


軽度のシワをのばす 【用意するもの:アイロン】

アイロンで和紙のシワのばし。初めて聞く方は、ビックリされるかもしれません。
この方法は最も手軽に行える方法で、弊社では出荷前の和紙のしわのばしにアイロンを使っています。適切な温度でアイロンがけを行うことで、殆どのシワが綺麗に伸びてくれます。

今回サンプルとして使用する和紙は、国内で最も流通量の多い楮(こうぞ)和紙です。
下の写真の様にシワシワになる事はあまりないと思いますが、違いが分かりやすい様にシワを入れてみました。
揉んでクシャクシャにしてみました。

アイロンがけ用の台としては、程よい柔軟性があるものが最も適しています。
テーブルに布を2〜3枚置くか、もしくは毛足の短い絨毯の上に布などを置くと良いです。

もちろんアイロン台でも可能ですが、中にはフカフカすぎる物があるので注意してください。
ちなみに弊社では、毛足の短い絨毯の上に厚手の柔軟性のある和紙を置いて、アイロンをかけています。

「それでは実際にシワを伸ばしていきます!」


アイロンがけの基本は和紙の裏面からかけます。
これはごく一部の和紙で、アイロンをかけると表面に光沢が出てしまうものがある為です。光沢がでる(でそうな)和紙の場合は、和紙の上にハンカチのような薄い布をかぶせて、その上からアイロンをかける事で回避できます。直接アイロンをかけるのが心配…という方もこの方法で行ってください。

薄手の和紙の場合:アイロンの温度は中温
厚手の和紙の場合:アイロンの温度は高温


を目安にアイロンをかけていきます。
薄手の和紙でも高温でさっとかければ早くシワがとれますが、初めての場合は中温をオススメします。
また、アイロンをかける際にやや体重をかけながら行うと綺麗に仕上がります。取り切れない場合は、アイロンの温度を上げてもう一度行ってみて下さい。

さて、最初に紹介したシワシワの和紙ですが比較の為、左半分のみアイロンをかけてみました。
アイロンだけでもここまで綺麗になります。
左半分だけアイロンがけをしました。
※和紙は厚みは中厚(一般的なコピー用紙2枚を重ねたくらいの厚さ)。アイロンは高温でさっとかけました。

軽いシワであればこれで殆ど綺麗になります。しかし今回のようなシワシワになったものだと、細かなシワが取れずに残っているのが分かります。
うっすらと細かなシワが見えます。
※クリックすると大きくみれます。

こういう細かなシワも綺麗にしたい!という場合には、次の方法が効果的です。

きつくついたシワをのばす 【用意するもの:水、刷毛、アイロン】

和紙は水ととても馴染みやすく、シワを伸ばす際にもっとも効果的なのは和紙に一度水を染み込ませてシワを伸ばす方法です。仕上げにアイロンがけを行う事でより綺麗に仕上がります。

ただ水を使用する為、この方法では何か滲むようなものが書かれている和紙、薄手の和紙、パルプが主原料の紙は、にじみの原因や破れやすいので行えません。

大切な作品、美術品等のシワ伸ばしをお考えの場合は、お近くの表具屋(経師屋)さんでご相談をオススメいたします。その点だけお気を付け下さい。

より細かくシワを入れて折り筋もつけてみました。
上の写真のように、これくらいシワがついてしまうとなかなかアイロンだけではシワが取りきれません。
今回は最初のものよりも細かくシワを入れて、折り筋もしっかりつけてみました!

「それでは、きつくついたシワを取っていきましょう♪」


初めにアイロンをかけて、取れるシワだけ取っていきます。これを行う事で後の作業が楽になります。
アイロンをかけてみましたがこれくらいのシワだとのびきりません。やはりシワが残っています。
これでもかという程、折りシワ・揉みシワを付けていたので、上の写真をご覧頂くと、やはりアイロンだけでは大きなシワは取れますが、細かいシワや折り筋は取り切れていないのが分かります。

次にアイロンかけが済んだ和紙全体に、刷毛で水を十分に浸透するまで与えていきます。
和紙に完全に浸透するまで水を与えます。
↑水を与えた事でシワがのび始めて、大きなシワが出てきました。

次の作業はこの出てきたシワを伸ばしていきます。この時に和紙の表面をこすって伸ばすのではなく、下の写真の様に和紙の端を一旦持ち上げて水を染み込ませた刷毛で優しくなぞりながら伸ばしていきます。(水の層の上を刷毛でなぞる感じ)
もしこすってシワを伸ばしてしまうと、和紙の表面が毛羽立ってしまう場合があります。
シワや気泡を取っていきます。
↑空気やシワを伸ばすように中心から外側に刷毛でなぞっていきます。
もしシワが残ってしまった場合は、もう一度和紙を持ち上げて空気やシワをとっていきます。

ここまでの工程が済むとこのような感じで、細かなシワも綺麗に取れています。
シワや気泡がとれました。

次に下の写真の様に和紙を窓ガラスに貼ってしまいます!(水だけで貼ります)
水がついているので、そのままでもピタッとはれると思います。
この時も刷毛に水をつけて中心から外側へなぞるようにして空気とシワを完全にとっていきます。
ガラスはあらかじめ拭いて綺麗にしてから行ってください。
窓ガラスに貼る事で、シワが伸びているか確認する事が出来ます。
その後、このまま自然乾燥させます。

乾いても窓ガラスにくっついている場合もありますが、大体の場合は乾くといつの間にか落ちています。乾燥させると下のように綺麗にシワが伸びているのがわかります。
細かいシワも伸びました。元々シワシワだったのが嘘の様です。

今回はこのガラスに水張りするだけでシワが消えたのでしていませんが、その後、仕上げにアイロンがけを行うと完璧です。ただし、アイロンをかける場合は和紙が完全に乾いてからかけて下さい。半乾きでかけると、和紙にヒヨリが発生しやすくなります。


和紙のシワを伸ばす方法は実は奥が深くて、使用する和紙や墨などで文字が書かれているかどうかなどで方法がいつくかあり、専門的知識と技術が必要な場合もあります。

今回ご紹介したやり方は、初めての方でも簡単に和紙についたシワを伸ばすことが出来るやり方なので、是非チャレンジしてみてくださいね。
やり方がいまいち分からないなどご意見が御座いましたら、お気軽にお問合せ下さい。


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