浅倉紙業株式会社 (ショールーム 紙あさくら)のブログ

−石川県金沢市にある創業明治30年の和紙専門店−

和紙についての知恵袋

悠久紙(五箇山和紙)の冬の風物詩「雪晒し」の現場見学に行ってきました。

先週末、お付き合いのある五箇山和紙「悠久紙」の宮本さんから、雪晒し(ゆきさらし)や紙漉きの現場体験を行うとお誘い頂いたので行ってきました!
※雪晒しとは五箇山の冬の風物詩で、詳しくはこの後ご紹介しています。

豪雪地帯の五箇山地方は、当たり前のように3m以上は積もるそうです。
道中の景色は雪がミルフィーユのように層になっていました。

悠久紙(五箇山和紙)体験 (2)
集合場所に到着するとご覧の通りの雪!これでも少ないそうです(^_^;)
晴天にも恵まれ、空気も澄んで心地がよいです。

紙漉きの現場体験では、まず悠久紙についての説明をして頂きました。
その中で何より驚いた事が下の大福帳。

一番左が最近作ったもの、真ん中と右は…いつ頃作られたか分かりますか?
悠久紙(五箇山和紙)体験 (1)

そう、大正6年というと1917年なので100年経っているんです。
実際に触って中身も見させて頂いたのですが、これまた驚くほどしっかりしています。とても100年経っているとは思えないほど和紙の自然な白さも保たれています。普通これだけ古い大福帳だと黒ずんでいて、周りがボロボロなので触るのも怖いくらいですよね。

耐久性のある美しい和紙を作るには、いかに良質な和紙繊維を傷めず原料を処理出来るかが大切なのだそうです。なぜこんなに耐久性がある和紙が作れるのか、今回その理由を垣間見る事が出来ました。

その工程の一つ、雪晒し(ゆきさらし)の現場を見学させて頂きました。
雪深い道を歩いていきます。奥に鳥居が見えますが、その長さでどれだけ雪が積もっているのか分かりますね(笑)。はしゃいでジャンプとかすると、簡単にひざ上くらいまで埋もれてしまうので、ゆっくり慎重に歩いていきます。
悠久紙(五箇山和紙)体験 (3)

こちらが雪晒しをまさに行っている所です。
いくつかの工程を経て、楮(こうぞ)表皮の黒皮部分を手作業で削りとったあとに、写真の様に雪の上に処理した楮を広げて1週間から2週間ほど、ひっくり返しながら晒していきます。
太陽の紫外線によって、徐々に葉緑素が抜けて天然の白色が得られます。
※葉緑素とは…植物の葉緑体の中に含まれる緑色の色素のこと。
悠久紙(五箇山和紙)体験 (7)悠久紙(五箇山和紙)体験 (4)

葉緑素が抜けてくると、下の写真の様にあきらかな違いが出てきます。
悠久紙ではこのようにして自然な白さを出す工程を行っていますが、市場で出回っている和紙の中には「さらし粉」という化学薬品を使って一気に白くしてしまう方法を行っているものもあります。

簡単でコストも大幅に抑えられますが、原料自体にもダメージを与えてしまうので何百年、何千年と生きる和紙にはなりません。
悠久紙(五箇山和紙)体験 (6)悠久紙(五箇山和紙)体験 (5)
ちなみに雪晒しには雪がとても重要です。
雪の表面は冷たく、そこに原料を置くことで腐らないという意味があります。
ただ、雪が降ると晒している原料が埋もれてしまいどこにあるか分からなくなる事と、雪の中は意外と暖かい(かまくらの原理ですね)ので、原料が腐ってしまう為、傍にあるワイヤーに吊るして雪晒しを続けます。


雪晒し見学のあとは工房に移動しました。
こちらでは原料を煮てアク抜きを行ったものに残っている黒皮や汚れ等を一つ一つ手作業で取り除いている所です。

気の遠くなるような作業ですが、この工程を適当にしてしまうと和紙を漉いた際に黒い部分が入ってしまうので細かなものも見逃すことなく行っていました。
悠久紙(五箇山和紙)体験 (8)悠久紙(五箇山和紙)体験 (11)悠久紙(五箇山和紙)体験 (12)
この部分も市場に出回っている和紙の中には原料を煮る段階で苛性ソーダという薬品を使って黒皮などの汚れを溶かして処理されているものがあります。
そうすることで、黒皮を手作業で取り除く工程を省く事が出来てコストを抑えられますが、やはり原料の繊維も傷んでしまいます。もちろん、悠久紙では薬品は一切使用せず作られています。

悠久紙(五箇山和紙)体験 (10)悠久紙(五箇山和紙)体験 (9)
※熱した真鍮製の乾燥板に貼り付けて乾燥している所。
修復用紙など、用途によっては木の板に貼り付けて、日光で乾燥させる伝統的な方法で行う事もあります。



悠久紙(五箇山和紙)では、全ての行程において化学薬品を一切使わず和紙の繊維をそのままに和紙を漉いていました。そうやって出来上がった和紙は経年によりさらに白さを増していくので、最初にご覧頂いた大福帳の経年を感じさせない状態が納得出来ますね。

このように良質な原料の栽培から手漉きまで一貫して行っている所は全国的にも非常に珍しく、海外のからの原料に頼らざるを得ない産地も少なくありません。

作られた悠久紙は、桂離宮の修復、名古屋城の本丸御殿修復、勝興寺の修復、ヨーロッパの絵画修復、などその他さまざまな場所で重要文化財の修復用紙として使われています。
これらの修復用和紙は、最低でも500年耐えうるものである事が求められるそうです。

とても貴重な和紙ですが、お土産品や和紙小物など用途によっては原料の種類や配合を変える事でコストを抑えた和紙も漉いています。

悠久紙の宮本さんともお話しさせて頂きましたが、世の中に出回っている和紙風の和紙が決して悪いのではなく、和紙の正しい知識としてそれぞれの用途に合わせて最適なものを使う事が大切ですね。私たちも和紙を専門に取り扱う者の責任として、お客様に和紙の正しい知識をお伝えしていくと共に、ご要望や用途に合わせた和紙をこれからもご提案していきます。

今回、和紙制作現場の一部を見学出来てとても勉強になりました。
和紙の世界は奧が深いので興味の種は尽きません(^-^)
お声がけ頂いた悠久紙(五箇山和紙)の宮本さん、スタッフの方々有難うございました!



☆こちらも合わせてご覧下さい☆

「悠久紙(五箇山和紙)の楮蒸し・楮はぎ見学体験に行ってきました」
悠久紙の原料となる地元でとれた楮の原木を蒸して、皮をむく作業を見学体験してきました。
楮を蒸すと、芋を蒸したような香りがするんですよ( ^ω^ )

「悠久紙(五箇山和紙)の「楮の芽かき」体験にいってきました」
和紙の原料となる楮が成長の段階で出てくる「余分な芽」を摘み取る作業を見学体験してきました。


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アートパネルを美しく設置する2つのポイント

一般的な住宅の壁面下地材には、主に石膏ボードが使われています。
軽量物であれば手軽にフックやピンで取付する事が出来ますが、その反面で、重量物を設置する際には色々と対策が必要となります。

「たった2つのポイントで美しく飾れる」

アートパネルを美しく設置する2つのポイント(飾り方)
オンラインショップ「Washiあさくら」のアートパネル加工で使用しているパネル重量は約1.3kg。
これくらいの軽いものであれば、下地が石膏ボードでも市販のダルマピン(針先が長いタイプ)で取付可能です。

そこで今回は、弊社の和紙アートパネルを「たった2つのポイント」を押さえるだけで、より美しく安全に設置出来る方法をお伝えしたいと思います。

ポイント 嵎斌未離團鵑2箇所にして安定感アップ」

アートパネルを美しく設置する2つのポイント (ピンの位置)
※1点で引掛けるよりも2点の方が安定感のある取付が出来ます。

通常、アートパネルの裏側には、縦向き・横向き設置可能な金具と紐がそれぞれ取り付けられています。細長いアートパネル等は1点吊りだと、どうしても中心が出しにくく左右どちらかに傾いてしまう事があります。

それを解決する方法としては、間隔をあけて2つのピンを取り付けて2点吊りにすることで左右の傾きが抑えられます。また、荷重がそれぞれのピンに分散する事でより安全に設置する事にもつながります。

ポイント◆屮僖優襪侶垢を修正し、美しく飾ってみよう」

アートパネル裏側の紐をピンに引掛ける方法では、どうしても下の写真(左)の様に、パネルがお辞儀したようになってしまいます。

傾きを修正してあげる事で、写真(右)の様に真っすぐに飾る事が出来るので、横からの見た目も美しく飾る事が出来ます。
アートパネルを美しく設置する2つのポイント (1)アートパネルを美しく設置する2つのポイント (3)
※写真(左):横から見るとパネルがお辞儀したようになっています。
※写真(右):傾き調整済みのもの。横からの見た目もスッキリとした印象です。


その方法とは、壁面部分に2箇所(アートパネル裏面下部に接する位置)に紐を引掛けたピンと同じものを追加するというものです。それがスペーサーの役割を果たす事でお辞儀していたパネルが真っすぐになるのです。

アートパネルを美しく設置する2つのポイント (4)アートパネルを美しく設置する2つのポイント (6)
※写真(左):壁面に取り付けたピンの位置。上部の2つはパネルの紐を引掛け用、下部の2つは傾き調整用。
※写真(右):ピンの位置が実際にどの辺にあるかのイメージです。


ピンを追加する際のポイントとしては、アートパネルを設置した時に横から追加したピンが見えない位置に取り付ける事です。あまり外側にピンを寄せすぎると横からピンが見えてしまいます。

位置決めが難しい場合は、一度アートパネルを設置した状態のまま確認しながら行うと簡単ですよ。

また、もし紐引掛け用と同じピンがない場合は、同じくらいの高さになるように調節したゴム等を挟む事でも可能です。ただその場合はゴムが自然とずり落ちたりしない様に、壁面側とゴムの間に簡易的な接着(両面テープなど)が必要かもしれません。

最後に

今回お伝えした2つのポイント
・ポイント 嵎斌未離團鵑2箇所にして安定感アップ」
・ポイント◆屮僖優襪侶垢を修正し、美しく飾ってみよう」

は今から始められる簡単なものです。

市販品にはJフックと呼ばれる石膏ボードにオススメの取付金具のほか、外した時の穴が目立ちにくいピンなども販売されています。

そのような金具を使用した場合でも今回の方法は有効ですので、是非、美しくアートパネルを設置してみてください。


■ 和紙アートパネル事例、製作の流れについてのご紹介ページはこちら

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「和紙って食べられるの?」 ご質問にお答えいたします。

先日ショールームにお越し頂いたお客様からこんなご質問を頂きました。
「和紙って食べられるのですか?」
ふと、これを見て疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。


結論から言うと、人間は和紙(紙)を消化する事が出来ないので、そのまま食べると腹痛などお腹の調子が著しく悪くなります。辞書を食べて内容を記憶するという、ネタなのか本気なのか分からない話を聞いた事もありますが、覚えられないどころか体調不良になるので実践しないでくださいね(^_^;)

和紙や洋紙等の「紙」の主成分は、セルロースという水にも熱にも強い成分で出来ています。
人間には消化出来ませんが、有名な童話『やぎさんゆうびん』の歌詞の中で、白やぎさんからお手紙着いた、黒やぎさんたら読まずに食べた♪と言う歌詞の影響もあってか、ヤギは紙を食べるというイメージがありますよね。

その童話の通り、ヤギは本当に紙を食べる事が出来ます(^-^)
2番目の歌詞で、手紙を読まずに食べてしまう白やぎさん(笑)
※黒やぎさんと共に、読まずにお手紙を食べてしまう白やぎさん(笑)

ヤギ自体にもセルロースを消化する力はありませんが、お腹の中にセルロースを分解する菌がいて、その菌の力を借りてセルロースを栄養源とする事が出来ます。

ヤギの他には牛、鹿、馬、羊、キリン、ラクダなどの草食動物、白アリやゴキ〇リなどの害虫も同じ菌を保有しています。
ひつじにとって紙は栄養源の一つだった。

ただ、洋紙や和紙の一部には生産時に製造コストを下げたり、量産を行う為に様々な化学薬品が使われている事があるのでくれぐれも動物(もちろん人間も)に与えないで下さいね。

「セルロースも食物繊維の一種」
また、私たちの生活の中でも腸内環境を整える為に食物繊維をとる事がありますが、実はセルロースは不溶性食物繊維と呼ばれる食物繊維の一種です。微粉末にしたセルロースは、その消化されない効果を最大限に生かして健康食品として販売されている商品の主原料としても使われています。


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火事から大福帳を守る為にとった驚きの方法とは!

皆さん、大福帳というものはご存じでしょうか。
若い方だと初めて聞く方もいるかもしれないので、少しご説明させて頂くと「江戸時代・明治時代の商家で使われていた帳簿の一種」つまりお金の流れを記しているものです。

大福帳を井戸に放りこむ!?

江戸時代には既に掛売が始まっていたので、月末や年末にまとめてお金を回収していました。
大福帳には、誰にいくらの未回収金があるかも記しているので言わば商売をする者にとって何より大切なものです。※大福帳が無くなると代金を払っていないのに払った!と言う人も出てくるでしょうね(^_^;)

大福帳に使われているのは長期保存にも耐えられる日本の和紙。
現代では和紙は水に濡れたら弱いものというイメージされる方もいるかもしれませんが、強靭な繊維が複雑に絡み合って出来た和紙は水に濡れても丈夫なのです。

「大福帳の焼失を回避する為に〇〇に放りこんだ!?」

ここで和紙の丈夫さを物語る、面白いエピソードがあるのでご紹介したいと思います。
昔の建物は燃えやすい木造家屋が連なっていた為、一旦どこかで火がつくと直ぐに燃え広がり、なかなか消火出来なかったそうです。特に江戸の町は火事が多く、数年に一度は大火事がありました。

商家の番頭(商家の使用人で営業・経理など、店のすべてを預かる人)は火事の際に、何より大切な大福帳が燃えないように、なんと井戸に放りこみ、それから避難行動をとったそうです。

事態が収まった後で井戸の水中から大福帳を引き揚げ、その後も普通に使えた事からも和紙の丈夫さが分かります。※濡れた大福帳をばらして一枚一枚乾燥させて組みなおしていたそうです。
ちなみに火消(現在の消防士)の人達が履いていた草履も和紙を撚って紐状にしたものから作られていました。

この様に和紙は一般的に知られている障子紙、傘紙、堤灯紙、合羽紙、謄写版原紙など、日常生活に使われる物だけでなく、強度が求められる草履や大事な帳面などにも用いられるほど日本人の生活になくてはならないものでした。

可能性を秘めた日本の和紙。
少しでも興味を持って頂ける方が増えると嬉しいです(#^.^#)


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和紙を見ると癒される、それにはこんな理由があった!

和紙を見ていると、何となく温かみを感じたり癒されるような感じがする。
そんな風に思った事がある方も多いのではないでしょうか。

暖かみのある和紙の質感和紙等の手作りの物には癒しを感じる「ゆらぎ」が存在した。

実はその感覚は科学的に実証されていて、「1/fゆらぎ」によるものかもしれません。
簡単に言うと、人が生きるために細胞から様々な信号を出していますが、その間隔を調べると一定の「ゆらぎ(1/fゆらぎ)」があるそうです。※波形の波のようなもの。
この「ゆらぎ」を感じると人はリラックスし心地よさを感じます。

■「1/fゆらぎ」が含まれているもの
和紙(手作りのもの)、小川のせせらぎ・波・木・風(自然のもの)、音楽など
小川のせせらぎ海の波自然の木々


■「1/fゆらぎ」が含まれないもの
近代的なビル、精密な工業製品、量産品
オフィスビル工業製品量産品


人間だけでなく、動物でも「1/fゆらぎ」を感じる事が出来るそうです。乳牛に音楽を聞かせると、リラックスしてお乳の出が良くなったりする―。どこかで聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

こうやって何気なく感じている事に、実はちゃんとした理由があったりするんですね。

弊社の和紙アートパネルはお部屋の印象を手軽に変える事が出来るものですが、中には「癒しの空間作り」としてご依頼頂く事があります。人が「1/fゆらぎ」があるものに心地よさを感じるという風に、無意識のうちに癒される物を求めているのかもしれませんね。



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10年以上張り替えいらずの障子紙!本物の和紙はこんなにも違う

たまたま通りかかった時に気付いてしまう他のお家の障子紙破れ−。私の実家では昔から障子は常に綺麗な状態で保つようにしていた為か、余計に気付いてしまいます(^_^;)

最近では和紙をビニール樹脂でラミネート加工したワーロンシートというものを障子紙の代わりに使っている場合が多くなってきました。ワーロンはよほど乱暴な扱いをしない限りは破れないので、張り替えなどのメンテナンスを行わなくてもよいメリットがあります。※劣化が進むと黄変や温度変化によって割れたりはするようです。

このような障子紙の代替えになるようなものが増え、機能性も高まってきたことで本物の障子紙の良さを改めて感じます。

<本物の障子紙とはどんなもの?>

原料や漉き方の違い

ここでいう”本物”とは手漉き、機械漉きに限らず
○原料の産地が明確であること(理想的には国内産)
○科学的な薬品を一切使わず昔ながらの製法で作られている
という事を指しています。

言葉でいうと簡単ですが、まずなかなかそのような和紙を探すのが大変になってきました。
どうしても手間ひまがかかり、製造コストが高くなってしまうので、市場に出回ったときにビックリするくらいの価格になります。
※食品偽装ならぬ、産地偽装や製造工程を省いた良くない和紙を、お客様にお伝えする事なく販売しているお店もあるようです。

弊社でも昔ながらの製法を守って生産されている障子紙を取り扱っています。
原料は純国産の高知楮100%―。灰煮で原料処理を行っている事で楮の繊維がそのまま生かされ、柔軟性があり艶のある丈夫な和紙に仕上がります。

繊維の太さや長さが違う

一般的な量産障子紙(よく破れやすいといわれるもの)と、昔ながらの製法で漉かれた灰煮障子紙を比べてみました。

1枚目の写真はテーブルに置いて撮影、2枚目は自然光に透かせて撮影しました。
本来の和紙の白色は灰煮障子紙のような色合い光に透かすとどちらも綺麗に見える。
左の量産品は漂白しているので真っ白で綺麗に見えます。しかし、本来の和紙の色は右の灰煮障子紙ように生成り色です。※量産品でも、着色して色だけ似せている偽物が世の中には出回っています。


もう少し違いが分かるように、手でちぎってみました。
繊維の出方が全く違うのが分かります。この繊維の質が和紙の強度に大きく影響してくるのです。
下の写真は灰煮障子紙です。
強く長い繊維同士がよく絡まっているのが分かる。灰煮障子紙の繊維1本1本が太く長い


次に、下の写真は一般的な障子紙をちぎってみた写真です。
繊維があまり出ていないのが分かります。
パルプが主原料の障子紙は繊維が短く細い。

一般的に障子紙は毎年変える事が良いとされています。
それは経年による劣化などにより白かったはずの障子紙に茶色いシミがでたり、パルプが主原料のため繊維が短く、強度を保てず自然と破れてしまう等、美観上の問題が出てくる為です。
これは使用している原料や処理の問題、またはコストを抑える為に化学的な薬品を使い、生産効率を高めた障子紙によく見られます。

10年以上、色の変色もない灰煮障子紙

今回ご紹介した灰煮障子紙は1年ごとに張り替えする必要はありません。
これは実際に私の実家の事例なのですが、障子を張り替えてからなんと約10年間、日の当たる室内でシミや破れ、色の変化も全くありませんでした。10年以上もちそうでしたが、ある日不覚にも手が当たって破ってしまったため張り替えました(^^;

使用環境によって耐久年数に違いが出てくるかもしれませんが、少なくとも実際に使ってみてこの結果を見てしまうと手間をおしまず作られた和紙の底力を感じます。

金額は幅は約101cm、mあたり1,800円(税抜、m売りしています)と、決して求めやすい価格ではないかもしれません。しかし、この障子紙を気に入って、これしか使わないというお客様もおられます。
あまりにその和紙がもつので、そのお客様が以前買いにこられたのは何年前なのか、お互いにわからないということがあります←これはお客さんとの笑い話です(笑)

日本にはまだまだ素晴らしい和紙を漉く技術を持っている職人さんがおられます。
様々なものが技術の発達によって便利になっていくなかで、最後に残るものはやはり本物であると感じます。


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和紙の3大原料の一つ三椏。国産と海外産ではここまで違う!

お札をポケットに入れたまま洗濯してしまったこと、皆さん1回くらいは経験された事があるのではと思います。(私は何度かありますよ(;^ω^))

さて、その時に日本の紙幣は全く問題なかったと思います。
一方で海外の紙幣で同じことをするとボロボロになって後始末が大変って事になります。
それが何故かは最後にお話するとして、ちょっと私もビックリした国産と海外産の原料の違いについてお話したいと思います。

「国産と海外産の三椏の違い」

まずはこの写真をご覧下さい。
中国三椏(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)中国三椏アップ(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)
↑中国三椏(中国から輸入して植えているもの)。葉っぱは大きく、幹も太く力強い。

日本三椏(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)日本三椏アップ(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)
↑日本三椏。葉っぱは細めで幹はほっそりとした感じ。

これは和紙の3大原料の一つ三椏(みつまた)の木です。それぞれ中国と日本の三椏の写真なのですが、全体的の雰囲気や葉っぱの大きさなども結構違いますね。

天日乾燥している白皮を手に取ると、その違いは歴然としていました。

「和紙にした時のそれぞれの違い」

それぞれを和紙にした時にどのような違いが出てくるのでしょうか。
原料(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)
左が中国三椏、右が日本三椏です。
中国三椏は分厚くゴワゴワしていて、日本の三椏は薄い感じです。
実はこの三椏、元をたどると同じ見た目のものだったのです。

「もともと中国からきた三椏」

実は三椏はもともと日本に古くからあるものではなく、江戸時代の後半から明治初め頃に中国から渡ってきたと言われています。元々は同じ種類(見た目も)の三椏でしたが、気候風土の違いから長い年月をかけてここまで違うものに変化していったようです。

それにしても全く異なる見た目ですよね。
育てる地質によっても少しずつ変わってくるそうです。

【中国三椏】:繊維が太く長い、カサカサして脂気がない。紙にするとふんわりとした感じの和紙になる。
【日本三椏】:繊維が細くコシがあり光沢のある和紙になる。木の年数が経つにつれて脂気が少なくなりカサカサした和紙になりやすい。

っと文章で見てもちょっと分かり難いですよね。
これは余程和紙に精通している方か、目の前に中国三椏と日本三椏それぞれで漉いた和紙を並べて触ってみて初めて分かる違いです。

ここにおいては中国三椏だからダメ、国産だから良いという訳ではなく、それぞれの用途にあった使い方があるという事です。原料も勿論大切ですが、何より原料をどう処理をして和紙を漉いたのか。その製造工程が上質の和紙を作る上で最も重要といえます。

「日本の紙幣には三椏が使われている」

日本のお札は世界の中でも耐久性が高いとされています。
その理由として和紙の技術や原料の一部に三椏が使われているからです。

そうです、最初にお話した日本の紙幣は洗濯してもボロボロにならない理由がこれです。しかし近年では国内の三椏では生産量が少なくまかなえないので、中国産の三椏を入れている為、昔のお札と比べると手触りや光沢感が違う事が分かります。

(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)上田手漉和紙工房1(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)上田手漉和紙工房2
(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)上田手漉和紙工房3(和紙の3大原料の一つ三椏。国産と中国産の違い)上田手漉和紙工房4
元々、中国から伝わった和紙は日本の文化や伝統によって熟成され、独自の進化を遂げました。
今日でもその技術が様々な所に使われているんです(^_^)v
そういう物を探してみるのも面白いとおもいますよ!


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荒々しく優しい、揉み和紙の魅力

お客様のご依頼で、揉み和紙を製作しました。

市場によく出回っている楮和紙の場合は、あらかじめ霧吹きなどでほんの少し水分を与えてから揉むと、キメ細やかなシワが出来ます(もんだ後は乾燥して下さいね)。和紙によっては、水分をほんのりではなく、しっかりと含ませて揉む「水揉み」を行う事もあります。

和紙に水分を与えるといえば、以前のブログ記事で「和紙のシワの取り方」を解説していますが、水分を与える事でシワをつける事も出来ますが、綺麗にのばす事も出来ます。

今回使用している麻和紙は水分を与えても出来る揉みは変わらない事と、少し粗目に揉みを行う必要があった為、水分は与えずに行っています。

使用する和紙、つけたいシワの具合によってやり方を変えておこないます。下の写真は揉んでいる途中の状態ですが、山脈の様にもみえる中々面白い表情です。

もみ和紙加工の途中段階。山脈みたいですね
※茶色に染色した麻和紙を使用。

体重をかけてもむので、そこまで力はいりませんが、枚数が多くなると結構大変です。
慣れていない方だと翌日手首が筋肉痛になる事もあります(;^ω^)

もみ和紙(粗目、裏打ちあり)
※今回、この和紙は住宅内装の天井に使われます。

揉んだ後は裏打ちといって、フラットな和紙を裏側に貼り合せる事でシワが伸びないようにします。

同じ和紙でも、揉む事で表情がまた変わります。
ご自宅などに和紙がある方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

もみ和紙加工の方法や、商品に関してご不明な事が御座いましたら
お気軽にお問合せ下さいませ。喜んでお応え致します(^^♪


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透け感が美しい、水玉模様の創作和紙(製作風景の一コマ)

お客様からご依頼頂いた、創作和紙の制作風景をご紹介。

楮紙を青いグラデーションに染色したものをベースに、様々な色合いに染めた和紙を丸く水切りし、貼り合わせて仕上げています。水切りとは和紙の繊維を出しながらカットする方法のこと。詳しくは下記のリンクでやり方を解説していますのでご覧ください。
※水切りのやり方はこちら

作業風景その1(水玉模様の創作和紙)’和紙を水切りした円(水玉模様の創作和紙)
いつもは、出来上がった商品をご紹介する事が多いのですが、制作風景は徐々に出来上がってくる楽しみがありますね。

和紙は濡れている時の表情も美しく、製作中に「お!」っと思えるような瞬間があります。
下の写真の様に透かして見ると、とても幻想的な雰囲気がします。
製作直後(水玉模様の創作和紙)光が透けるととても綺麗!!(水玉模様の創作和紙)

和紙の原料は成長時に気候の変動にも影響されます。
仕上がった和紙は見た目は同じでも染めたり加工をした時に、違いに気付く事があります。

厚みが異なっていたり、いつも上手くいっていた加工法でも、その時の和紙によっては上手くいかなかったり…悩む時もありましたが、そんな時に先代社長の言葉を思い出します。

「和紙に無茶はいっちゃいかん。和紙に自分が合わせていかないと」

これです。
とても奥深い言葉ですよね(笑)

この言葉って、和紙に限らず日常生活でも当てはまるのではないでしょうか。
時代の変化に合わせて自分が変化してゆく。
それが唯一の成功法であり、近道だと思います。

伝統とはその時代に必要とされたものが受け継がれて、そう呼ばれるようになります。浅倉紙業もそうやって時代に合わせた和紙製品を、これからも提案し、作り続けていきます。

和紙についてご質問や、お探しの商品が御座いましたら、どの様な小さな事でもお気軽にお問合せ下さいませ。


■ 創作和紙デザインカタログページはこちら

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表具のプロに聞いた!和紙を壁紙に使う際の糊のおはなし

先日、和紙の内装施工でお世話になっている表具店の武田さんとお話する機会がありました。そこで、昔から気になっていた事を聞いてみました。

和紙を壁紙として貼る場合に、「ビニールクロスを貼る糊(クロス糊)で貼る場合と、昔ながらの煮糊(でんぷん糊)を使う場合とではどのような違いがあるのか」という疑問です。

昔からクロス糊は和紙と相性が良くないと何度も聞かされてきました。
ではどう良くないのでしょうか。

【貼り方にも違いがある】

通常、新築住宅やリフォームで和紙の壁紙を依頼した場合、指定しないかぎりビニールクロス壁紙を貼られることが多いかと思います。業者さんがクロス用の糊を使って和紙を貼っていきます。機械で一気に糊を塗れますし、工期も非常に早く、あっという間に仕上がります。

一方で、和紙の扱いに慣れている経師屋さん(表具屋)が貼る場合は、今回写真をアップしたように下貼り、表貼り共に袋貼りと言う貼り方で貼っていきます。袋貼りは必要な部分にしか糊がついていないので、和紙本来の呼吸(調湿性)を妨げない貼り方です。

※袋貼り…縁には濃いめの糊を塗り、内側には本当に薄い糊を塗って貼るやり方。乾くと内側だけ浮いて、袋の様になることから袋貼りといいます。和紙のもつ調湿性を最大限に活かす、昔ながらの貼り方です。

フチに濃い糊を塗っています(和紙壁紙)内側には水のような薄い薄い糊を塗っていきます(和紙壁紙)2種類の糊を使用しています(和紙壁紙)貼っている途中(和紙壁紙)漆の和紙(和紙壁紙)下貼り、上貼り共に袋貼り(和紙壁紙)※和紙を下から貼っていく事で、上に重ねて貼る継ぎ目にホコリがたまらない様になります。

【糊は用途に合わせて濃度を調節】

昔の日本の伝統的な表具では、糊を入れたかめを何年も床下に保存し腐敗させて、接着力が弱くなった古糊を使う事もあったそうです。今の世の中では強力な糊を使ってバシッと貼るイメージですが、昔の技法では、数年後に修復を想定した糊の選び方をしてしています。
もし糊が強すぎると修復そのものが出来ないという事なんですね。

現在では糊も扱いやすいものが出回っているので、濃度を調節して使用しています。

【糊によって出てくるシミや黄ばみについて】

糊の違いについて武田さんいわく、「クロス糊で貼った場合、和紙に染み込んで表面に上がってきた糊剤が経年により、シミや黄ばみの原因となる」とのこと。それが5年先なのか10年先なのかは状況によりけりですが、必ずとは言えないもののリスクがあるともお話されていました。
クロス用の糊による出たシミ(ビニール壁紙)
※黄ばみの参考写真。クロス糊が付いたまま放置するとこの様な茶色いシミが出てくる事があります。

この黄ばみに関しては、ビニールクロスが使われている住宅の場合、よく問題になります。
ビニールクロス自体は水分を通さないので、糊が表面に上がってくる事はありません。しかし、クロスのつなぎ目の部分など、表面についたクロス糊をきれいにふき取っていないと、数年後に黄ばみが出た!という例を多く耳にします。

一方で武田さんが昔から使う糊は、シミや黄ばみが起きないようなものを使用しているからその心配がないのだとか。

確かに!実は、実家の内装は武田さんに和紙を壁紙として貼ってもらいましたが、あれから20年近く経った今も黄ばみやシミなど一切ありません(#^^#)

これから和紙壁紙を検討されている方は、糊についても是非吟味してみて下さい。

※弊社ではこちらのデンプン糊を使用しています。
経師屋さんが使う本格的な糊ではありませんが、和紙との相性がとても良く、シミも発生した事がないので長年使っています。ホルムアルデヒドなど化学物質も未検出で、DIYなどにも安心して使えます。


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