たまたま通りかかった時に気付いてしまう他のお家の障子紙破れ−。私の実家では昔から障子は常に綺麗な状態で保つようにしていた為か、余計に気付いてしまいます(^_^;)

最近では和紙をビニール樹脂でラミネート加工したワーロンシートというものを障子紙の代わりに使っている場合が多くなってきました。ワーロンはよほど乱暴な扱いをしない限りは破れないので、張り替えなどのメンテナンスを行わなくてもよいメリットがあります。※劣化が進むと黄変や温度変化によって割れたりはするようです。

このような障子紙の代替えになるようなものが増え、機能性も高まってきたことで本物の障子紙の良さを改めて感じます。

<本物の障子紙とはどんなもの?>

原料や漉き方の違い

ここでいう”本物”とは手漉き、機械漉きに限らず
○原料の産地が明確であること(理想的には国内産)
○科学的な薬品を一切使わず昔ながらの製法で作られている
という事を指しています。

言葉でいうと簡単ですが、まずなかなかそのような和紙を探すのが大変になってきました。
どうしても手間ひまがかかり、製造コストが高くなってしまうので、市場に出回ったときにビックリするくらいの価格になります。
※食品偽装ならぬ、産地偽装や製造工程を省いた良くない和紙を、お客様にお伝えする事なく販売しているお店もあるようです。

弊社でも昔ながらの製法を守って生産されている障子紙を取り扱っています。
原料は純国産の高知楮100%―。灰煮で原料処理を行っている事で楮の繊維がそのまま生かされ、柔軟性があり艶のある丈夫な和紙に仕上がります。

繊維の太さや長さが違う

一般的な量産障子紙(よく破れやすいといわれるもの)と、昔ながらの製法で漉かれた灰煮障子紙を比べてみました。

1枚目の写真はテーブルに置いて撮影、2枚目は自然光に透かせて撮影しました。
本来の和紙の白色は灰煮障子紙のような色合い光に透かすとどちらも綺麗に見える。
左の量産品は漂白しているので真っ白で綺麗に見えます。しかし、本来の和紙の色は右の灰煮障子紙ように生成り色です。※量産品でも、着色して色だけ似せている偽物が世の中には出回っています。


もう少し違いが分かるように、手でちぎってみました。
繊維の出方が全く違うのが分かります。この繊維の質が和紙の強度に大きく影響してくるのです。
下の写真は灰煮障子紙です。
強く長い繊維同士がよく絡まっているのが分かる。灰煮障子紙の繊維1本1本が太く長い


次に、下の写真は一般的な障子紙をちぎってみた写真です。
繊維があまり出ていないのが分かります。
パルプが主原料の障子紙は繊維が短く細い。

一般的に障子紙は毎年変える事が良いとされています。
それは経年による劣化などにより白かったはずの障子紙に茶色いシミがでたり、パルプが主原料のため繊維が短く、強度を保てず自然と破れてしまう等、美観上の問題が出てくる為です。
これは使用している原料や処理の問題、またはコストを抑える為に化学的な薬品を使い、生産効率を高めた障子紙によく見られます。

10年以上、色の変色もない灰煮障子紙

今回ご紹介した灰煮障子紙は1年ごとに張り替えする必要はありません。
これは実際に私の実家の事例なのですが、障子を張り替えてからなんと約10年間、日の当たる室内でシミや破れ、色の変化も全くありませんでした。10年以上もちそうでしたが、ある日不覚にも手が当たって破ってしまったため張り替えました(^^;

使用環境によって耐久年数に違いが出てくるかもしれませんが、少なくとも実際に使ってみてこの結果を見てしまうと手間をおしまず作られた和紙の底力を感じます。

金額は幅は約101cm、mあたり1,800円(税抜、m売りしています)と、決して求めやすい価格ではないかもしれません。しかし、この障子紙を気に入って、これしか使わないというお客様もおられます。
あまりにその和紙がもつので、そのお客様が以前買いにこられたのは何年前なのか、お互いにわからないということがあります←これはお客さんとの笑い話です(笑)

日本にはまだまだ素晴らしい和紙を漉く技術を持っている職人さんがおられます。
様々なものが技術の発達によって便利になっていくなかで、最後に残るものはやはり本物であると感じます。

※こちらの記事も読まれています。
悠久紙(富山県・五箇山和紙)の冬の風物詩「雪晒し」の現場見学に行ってきました。

地元で原料となる楮作りから手掛けている、悠久紙(ゆうきゅうし)。
昔ながらの製法で漉かれた和紙は、文化財の修理修復として使われています。
100年経っても色合いが変わらない大福帳(昔の帳簿)も写真付きでご紹介。


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