浅倉紙業株式会社 (ショールーム 紙あさくら)のブログ

−石川県金沢市、創業1897年の和紙専門店−

2013年07月

和紙と洋紙の違いとは−第3回 「 見分け方 」 編 (最終回)

和紙と洋紙の違いについての第3回(最終回)です。
これまで「日常にある和紙について」「和紙ってどんなもの?」について解説してきました。
※以前の記事をご覧頂いていない方は、下記のリンクからご覧下さい。

第1回 「 日常にある紙 」 編
第2回 「 和紙ってどんなもの? 」 編

今回、見分け方編という事で、いよいよ和紙と洋紙の見分け方について解説していきます。

これまでのお話では、和紙には楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)の3つの原料があるとお伝えしました。それぞれ、洋紙には無い和紙ならではの特徴があります。

和紙の原料によって特徴が異なりますが、ここでは和紙といえば一番多く使われていて分かり易い「楮」を原料に作られた和紙を例に、見分け方をお教えしたいと思います。
※出回っている和紙には様々な種類や配合があり、必ず下記に当てはまらない和紙もあります。
※今回お伝えした例は100%和紙の原料を使った和紙と、一般的な洋紙を比べています。


実際に触ってもらうと和紙がどのようなものか何となくわかってくると思います。
しかし、普段あまり触れる機会がない方に分かりやすく、大きく4つの見分ける方法をあげてみました。

<和紙と洋紙の見分け方>

1:手触り

【和紙】

触って判断するには、本物の和紙を触り続けていないとなかなか分かりづらいかもしれません。
しかし、楮の靭皮繊維は他の和紙原料の中で最も繊維が長く、繊維が短い木材繊維から作られた洋紙と比べると、その違いは歴然としています。

和紙の大まかな質を判断する際にも行なう方法で、それだけ手から得られる情報はとても大きいのです。下の写真は楮和紙です。
(和紙の手触り)和紙と洋紙の違いについて第3回
繊維が幾重にも絡まり重なりあった楮和紙の手触りは洋紙に比べて、“ざらざら”していて、なにより「擦っているうちに長い靭皮繊維が表面に現れ」てきます。

【洋紙】

一方、洋紙は繊維の短い木材繊維(木のチップを砕いたもの)から出来ていますので、繊維が非常に短いです。触っているとツルツルしたものや、ざらつきのあるものもありますが、擦っていても表面に長い繊維が出てきません。出てくるとすれば、粉状の細かな繊維が出てくる場合があります。


2:破いて繊維をみる

長い繊維から出来た和紙と、短い繊維から出来た洋紙。明確な違いがあるので、破いて繊維の出方を見るのが最も分かりやすいです。

【和紙の繊維】

和紙を実際に破いてみると、まず薄くても破れ難いです。そして、破いた淵を見てみると…
下の写真のように長い繊維が出てきます。これぞ和紙です(^^♪
和紙(長い繊維が見えます)
※和紙のフサフサとした繊維。

【洋紙の繊維】

一方、洋紙の方は繊維が短いので和紙と同じ厚さのものでも簡単に破れてしまいます。
そして破いた淵をみると、殆ど繊維が出てきていないのが分かります。

洋紙(繊維が短い為でない)
※洋紙はこの様な感じ。

写真で見て頂くと分かりやすいと思いますが、これだけの違いがあります。

このように、破いてみる方法は最も分かりやすい方法ですが、お店で売られている商品を破いて確認する事が出来ないので、それが問題ですね(^_^;)


3:匂い

透きたての和紙は特に分かりやすいのですが、和紙独特の原料の香りがします。

漂白されて作られた和紙だと不思議と匂いがしません。しかし、昔ながらに漉かれた和紙は、なんとも言えない和紙!という香りプンプンします。時間の経過とともに薄れていく香りなので、嗅ぎ分けるのは難しいかもしれません。


4:透け感

透け感のある和紙は、光を透かせる事で和紙独特の繊維質が見えます。
楮は繊維が長いので、慣れてくるとこの方法も判断の一つとして使えます。

その他、きれいな和紙に仕上がっているか出来栄えを見たりする時などにも、光に透かしてみることがあります。和紙漉き職人さんの前でこれをすると、「むむ、この人は和紙を分かっているなぁ〜」っと思われます(笑)

余談ですが、以前に漉き手の職人さんの工房へお伺いした際、その職人さんが和紙を舌で舐めていた事がありました。不思議な光景に、思わず「それで何か分かるんですか!?」と聞いてみると、それで和紙のpH値をおおよそ感じられるのだとか。(pH値とはいわゆる酸性、中性、アルカリ性というものです)凄いですよね!


和紙の見分け方、いかがでしょうか。
楮の原料は元々育ちやすく生産量も多い為、一般的によく見る商品は楮和紙がほとんどだと思います。それでも最初は中々見分けづらいと思います。しかし気にして見るようにしていくと、不思議と徐々にわかってくるはずです。

和紙で何か分からない事が御座いましたらお気軽にお問合せ下さいませ。
ご覧頂き有難う御座いました。

【和紙と洋紙の違い解説シリーズ】
下記リンクからご覧いただけます。


第1回 「 日常にある紙 」 編
第2回 「 和紙ってどんなもの? 」 編


お問合せはこちらのフォームからお気軽にどうぞ!
お電話・Faxでも受け付けております。


(1日1回アイコンをクリックして頂きランキングUPにご協力くださいませ!)

花柄とストライプ。両面がことなるデザインの創作和紙四曲屏風

弊社の創作和紙を使用したリバーシブルタイプの四曲屏風を製作しました。

バラのモチーフの創作和紙四曲屏風です。弊社の創作和紙を使用しています(創作和紙四曲屏風)
※全て手画きでデザイン入れを行っています。

片面が麻和紙にバラ柄。裏側は楮の和紙に刷毛目のデザインになっています。
両面それぞれ異なる和紙を使う事で、雰囲気の違いを楽しめます。

麻和紙の方は、どちらかというと男性的で、荒々しいイメージ。
楮の和紙の方は、優しい女性のようなイメージの和紙です。

“美しいものにはトゲがある”バラに麻和紙がピッタリハマっているように感じます♪

裏側は刷毛目のデザインになっています(創作和紙四曲屏風)一筆書きの手描きです(創作和紙四曲屏風)

和モダンな住宅や居酒屋さん等に合いそうな感じに仕上がりました。
(写真はクリックすると大きく見れますので、是非ご覧下さい)

デザインも含めて、お客様のオリジナルの屏風の企画制作も承っております。
ご不明な事が御座いましたら、お気軽にお問合せ下さいませ。


お問合せはこちらのフォームからお気軽にどうぞ!
お電話・Faxでも受け付けております。


(1日1回アイコンをクリックして頂きランキングUPにご協力くださいませ!)

和紙と洋紙の違いとは−第2回 「 和紙ってどんなもの? 」 編

さて、前回の和紙と洋紙の違いとは「日常にある紙 編」の続きになります。
今回は、下記の5つの項目について解説していきます。

「和紙と洋紙の原料について」
「和紙と洋紙の違い」
「和紙の定義・捉え方の違い」
「それって本当に和紙?」
「白くて綺麗な和紙には、こんな理由があった」

<和紙ってどんなもの?>

和紙と洋紙の原料について

【和紙の原料とは?】

写真:左から楮、三椏、雁皮
楮(こうぞ)三椏(みつまた)雁皮(がんぴ)

和紙の主な原料は「楮(こうぞ)」、「三椏(みつまた)」、「雁皮(がんぴ)」。それぞれ、靭皮(じんぴ)という部分を使います。Yahooの百科事典で「和紙」を調べると、抜粋ですがこのように書かれています。
日本でつくられる手漉(す)きの紙をいう。木材パルプを原料として機械によって量産する洋紙に対し、和紙は植物の靭皮(じんぴ)繊維をとってすべて手作りで漉くのが特徴となっている


蒸した後、皮をはいでいきます。
※この靭皮というのはいわゆる甘皮(原料の表皮をめくったすぐにある部分)のこと。
原料を蒸した後に手作業で皮をはいでいき、その中側にある白い部分が和紙の原料になります。
残った芯の部分や表皮は、薪(まき)等として無駄なく使います。

【洋紙の原料とは?】

洋紙の主原料はパルプです。大きく分けて下記の4種類あります。

・木材パルプ(針葉樹・広葉樹の幹を原料としたもの)
・非木材パルプ(サトウキビや竹などをはじめとした植物を原料としたもの)
・古紙パルプ(使用済みのパルプを原料としたもの)
・合成繊維パルプ(レーヨンやビニロンなど化学合成繊維を原料としたもの)
※洋紙は量産やコストを抑える為に、様々な薬品を使用して製造しています。


和紙と洋紙の違い

【和紙】

・繊維が太く、強度が高い
・長期保存に向いている(日本で最古の和紙は702年(約1300年前)のもの)
・原料や量産がしにくいため、高価

【洋紙】

・繊維が短く、強度が低い
・変色しやすい(主に黄変、まわりがボロボロになってくる等)
・大量生産しやすいため、安価

和紙の定義・捉え方の違い

Yahoo百科事典では日本で作られる手漉き和紙をいうとありますが、一言で「和紙」といっても和紙業界人で、その捉え方が違います。
例えば…

々馥盪困慮粁舛鮖箸辰導こ阿嚢いた手漉き和紙
国内産の原料を使って日本で漉いた手漉き和紙
3こ飴困慮粁舛鮖箸辰篤本で漉いた手漉き和紙
ここ飴困慮粁舛鮖箸辰導こ阿嚢いた手漉き和紙
ス馥盪此海外産の原料を混ぜて海外で漉いた手漉き和紙
国内産、海外産の原料を混ぜて日本で漉いた手漉き和紙

上記は手漉き和紙です。そのほかに、機械で漉いた和紙も含めると計12種類あります。

全てを和紙と呼ぶのか、それとも純粋な和紙として国内産の原料を使って国内で漉いた手漉き和紙の番のみが和紙というのか。ここを詳しく話すと長くなってしまいますので、「和紙」と言っても沢山捉え方があるんだなとお考えいただけたらと思います。

それって本当に和紙!?

世の中には沢山の「和紙」と呼ばれるものが販売されています。
しかしその中には和紙と謳っておきながら洋紙の原料となるパルプのみで作られたいわゆる「偽物」もあります。

他にも和紙の原料は入っていても数パーセントで、殆どがパルプしか入っていないものもあります。
パルプの配合比率によって簡単に分かる物から、私達でも分からないものまで様々です。

白くて綺麗な和紙には、こんな秘密があった

白くて綺麗な和紙を作るのには、本当に手間隙とコストがかかります。
詳細は他のサイトでも詳しく載っているので割愛しますが、専用の漂白剤を使って原料を白く脱色して漉いた和紙などもあります。

一見、仕上がった和紙は白くてとても綺麗に見えます。
実は、これも曲者です。

趣味で簡単に使いたい等の用途であればかまいませんが、長期的に保存したい美術品などに使われる和紙には使ってはいけません。※弊社ショールームに来られるお客様にも、必ず使用用途をお聞きしています。

【なぜ漂白された和紙がダメなの?】

それは、漂白剤などを使わず手間隙かけて作られた本物の和紙は靭皮繊維(和紙の主原料の部分です)の痛みも少なく、pH値も中性です。

一方で、漂白した原料は繊維も傷みpH値も酸性で、長期保存には向かない和紙になります。
(ちなみに本物の和紙の耐久性は約1000年以上、ph値が酸性の洋紙だと100年でボロボロになり、中性の洋紙だと300年程はもつと言われています。)
100年経っても色合いが変わらない大福帳
本来の和紙は、経年によって葉緑素が抜けて自然と白くなっていきます。

そのほか漂白されていない和紙であっても、数年で茶色っぽいシミが出てくるものもあります。
様々な理由がありますが、使用する原料や製造工程に問題があります。
茶色い斑点が現れています。
※画像はクリックすると大きく見れます。

もう少し分かりやすい写真して、下にもう1枚ご用意致しました。
こちらにも茶色い斑点が現れています。
こちらは柿渋染めの和紙ですが、それとは異なる斑点が出ています。

もし、長期保存を目的とした和紙をお探しの方は、漂白されていない中性の和紙で、尚且つ「数年ねかせた和紙」をお求め頂く事をオススメします。(取扱いの店舗ですぐには確認出来ない場合もありますが、お願いすれば教えてくれると思います)

まるでワインのように経年によって熟成されていく和紙。
漉いて間もないものよりも年数が経った和紙の方が価値があるとされ、書道をされている方などは書き味も良いと好んでお求めになる程です。

工程を省いた和紙は、数年で確実に和紙の表面に結果として出てきますのでご注意下さい。

和紙の話になると、どうしても長くなってしまいます(笑)
長々とお付き合い頂き有難う御座います。

さて次はこの題、最後の回になります。
次回もお楽しみに♪

【和紙と洋紙の違い解説シリーズ】
下記リンクからご覧いただけます。


第1回 「 日常にある紙 」 編
第3回 「 見分け方 」 編 (最終回)


お問合せは
こちらのフォームからお気軽にどうぞ!
お電話・Faxでも受け付けております。


(1日1回アイコンをクリックして頂きランキングUPにご協力くださいませ!)

和紙と洋紙の違いとは−第1回 「 日常生活にある紙 」 編

弊社ショールームにご来店されたお客様から、「和紙と洋紙の見分け方ってあるんですか」と聞かれることがあります。

その違いは、和紙を触っていくうちに、その違いが分かってくるものです……と言ってしまうとブログの意味ありませんね(^_^;)そこで、興味を持って頂ける方の参考になればと思い、少しずつですが和紙について解説していきます。

<日常にある和紙とは?>

さて、いきなりですが皆さんは日常の生活の中に、どれだけ和紙と洋紙が使われているかご存知でしょうか。

新聞や折込チラシ、トイレットペーパー、メモ帳、切手や障子などなど、他にも沢山「紙」と呼ばれるものがありますね。改めて考えてみるとどうでしょう、和紙かな〜って言うものはありましたか?

意外と分かり難いですよね。
(和室写真)和紙と洋紙の違いについて第1回(新聞紙写真)和紙と洋紙の違いについて第1回
じつは現在の家庭で使われている紙、その殆どが洋紙です。
和紙を生活に取り入れている方もおられるので、全てがそうではありません。しかし和室などに使われている障子紙も、昔と違って今は純粋な和紙ではなく洋紙の要素が多く取り入れられています。

その昔、和紙は生活必需品だった

室町時代、雨傘や灯り、ちり紙、襖障子などにも和紙が使われ、生活に無くてはならない存在でした。
絹の着物が高価だった時代には和紙を原料にした着物まであったくらいです。
(この和紙の生地を紙衣(かみこ)といいます)
紙衣・紙布の和紙着物)和紙と洋紙の違いについて第1回
↑以前、このブログにも紙衣の着物が登場しましたね。

【紙衣(かみこ)とは?】

紙衣というのは、柿渋やこんにゃく糊などを強さのある和紙に、浸み込ませては揉んでを繰り返して和紙自体に強度を持たせた和紙の総称です。
無加工の物に比べると格段に防水能力が高い事が特徴にあげられます。

その昔「風船爆弾」という戦争の道具にも紙衣の技術を用いられていました。
ご興味のある方は風船爆弾で調べて見てください。

そんな和紙も戦後の生活様式の変化などによって、和紙から洋紙へと需要がシフトしていきました。
やはり大量に安く作れる洋紙に軍配が上がったのでしょう。

現代ではネットでやり取りをするようになって、その紙すら使わない時代(ペーパーレス化)になってきています。まさに今は洋紙の危機……凄い世の中になりましたね!
そうなると私の個人的な考えとしては、歴史と特徴があり日本ならではの和紙が再度注目されていくのでは!?っと考えたりしています(^_^)

さて話は戻りまして、じゃあ和紙ってどんなもの?
については次回お話したいと思います(^^♪

【和紙と洋紙の違い解説シリーズ】
下記リンクからご覧いただけます。


第2回 「 和紙ってどんなもの? 」 編
第3回 「 見分け方 」 編 (最終回)


お問合せはこちらのフォームからお気軽にどうぞ!
お電話・Faxでも受け付けております。


(1日1回アイコンをクリックして頂きランキングUPにご協力くださいませ!)
浅倉紙業株式会社(ショールーム紙あさくら)をフォロー
和紙のある空間作りならお任せ下さい。
アートパネルや光壁を始めとしたインテリア企画製作、手漉・手染和紙、和紙小物のOEMなど、あらゆるニーズにお応えいたします。

〒920-0841
石川県金沢市浅野本町1-10-8
(Google mapで開く)
■TEL:076-252-6632
(月〜土 9:00-18:00)
■FAX:076-252-1318
(24時間受付)
※定休日:日曜、祝日

オンラインショップ「Washiあさくら」トップページへ



ブログ内の記事検索